大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和28(あ)1707 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人竹沢哲夫の上告趣意第一点について。

被告人は、貧困その他の事由で弁護人を依頼できないときは国に対して弁護人の

選任を請求することができるのであり、国はこれに対して弁護人選任の義務を負う

ことは憲法の規定するところであるが、本件において被告人が裁判所に対し弁護人

の選任を請求した事跡は記録上認められないのであるから、原審における弁護人選

任の時期について、憲法違反を主張する論旨の理由のないことは、当裁判所判例の

趣旨に徴して明瞭である。(昭和二五年(あ)第二一五三号、同二八年四月一日大

法廷判決参照)(尚、本件においては、被告人は法定の期間内に控訴趣意書を提出

し、弁護人は公判廷において、右控訴趣意書にもとずいて陳述し、かつ、弁護人選

任に関する裁判所の措置に対しては、被告人からも、弁護人からも何ら異議を述べ

られた事跡のないことは記録上明らかである)。

同第二点について。

論旨は原審における主張判断を経ない事項に関するものであるから刑訴四〇五条

の上告理由に当らない。また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認め

られない。

よつて同四〇八条、一八一条により主文のとおり判決する。

この判決は、上告趣意第一点に対する裁判官小谷勝重、同谷村唯一郎の少数意見

を除くほか全裁判官の一致した意見によるものである。

裁判官小谷勝重、同谷村唯一郎の少数意見は次のとおりである。

職権をもつて竹沢弁護人上告趣意第一点の事項につき取調べると、正に原審には

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所論のとおりの違法あり、仍つてこの点につき刑訴四一一条一号違反として原判決

を破棄し、事件を原審へ差戻すを正当とする。そしてわれわれの意見の詳細は昭和

二五年(あ)第二一五三号同二八年四月一日大法廷判決に附したわれわれの意見を

ここに引用する。

昭和三〇年七月二九日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

裁判官 池 田 克

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